大阪・設計事務所 なちゅらる・さーかす

長寿命の家にする
1.経年劣化を防ぐ
 木造住宅を傷める最大の原因は水とシロアリです。木は水をたくさん含むと腐り、シロアリは木が大好きな生き物だからです。まず水対策としては、何より「雨漏りを起こさない」ということが基本となります。雨漏りは屋根や外壁に凹凸が多いと起こりやすく、無理なデザインも雨漏りの大きな原因となります。私はできるだけシンプルな形状にすることを心がけているのですが、それはシンプルな美しさとあわせ、こうした機能的なメリットがあるからです。もちろん雨漏りは施工上の問題が大きな原因になるので、そのあたりは施工監理において厳密にチェックします。

 シロアリは地下に巣をつくって上がってくるので、そのルートをなくすことが最大の防御になります。ベタ基礎はこのルートをなくす基礎としてとても有効です。ベタ基礎の他にも、配管が地下とつながらないような工夫を行います。

 長期優良住宅における劣化対策は、雨漏りしたとき、シロアリが上がってきたときに問題を最小限にしようという発想になっていて、それが薬剤に頼るという内容につながっています。以上のような根本対策を講じながら、長期優良住宅でも認められている「腐れやシロアリに強い樹種を使う」などの方法で、薬剤に頼らない劣化対策を行っています。

 この他にも、屋根材や外装材に耐久性の高い材料を使うこと、内装材には時間の経過に強く、時が経つにつれ味わいが増す自然素材を使うといった取り組みを実施しています。
このように「なちゅらる・さーかす」がつくる家は、経年劣化の原因となるあらゆる要素を考慮し、総合的かつ根本的な対策を講じているのです。

2.維持管理しやすくしておく
 メンテナンスフリーの家はあり得ません。「経年劣化を防ぐ」でも述べたように、家づくりのプロとして劣化に強い最大限の工夫は行いますが、それでも時間の経過にしたがって何らかの問題は生じます。このことを前提に、いかに維持管理しやすくしておくかも「長持ち」の重要なポイントになります。

メンテナンス(補修、塗り替え、交換など)が必要になるのは次のようなところです。
■屋根、外壁(定期的に補修や塗り替えが必要)
■設備本体(あらゆる設備機器には寿命があります)
■配管(劣化が大きな問題を引き起こすところであり、設備の変更に伴う交換もあり得る)


 ここで、何より設計上の工夫が必要になるのが「床下」です。配管は床下を通っており、シロアリがまず侵入してくるのが床下だからです。メンテナンスしやすい配管の方法に工夫しながら、万が一のシロアリ侵入を早期発見できるようにしておかなければなりません。

 配管の工夫については、「ヘッダー工法」と呼ばれるものや「さや管」を使います。ヘッダー工法はもっとも問題が生じやすい配管の継ぎ手を1箇所に集められ、集中的に点検や交換がしやすくなります。さや管は配管の交換がしやすい方法です。

 床下に関しては、「すべての床下に人が行けるようにしておく」ということが何より重要です。一般的な方法は建物内部の基礎に穴を開け、人が移動できるようにするというものですが、基礎に穴を開けることはその強度を低下させてしまいます。その部分の補強もできないことはないのですが、そうした対症療法的な措置よりも、工夫して基礎に穴を開けない方法ですべての床下点検ができるようにすべきでしょう。「なちゅらる・さーかす」はその考え方に基づき、構造的な問題を引き起こさないように床下点検ができる工夫を行っています。