堺パッシブ・エコハウス展示場

なちゅらる・さーかすでは、10年程前からの太陽光発電への積極的な取り組みを皮切りに、省エネルギー住宅や快適な室内環境の実現に向かってきました。とくにここ数年は、全国を回って様々な勉強会・講習会に参加し、またLCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)やドイツ基準のパッシブハウスなど、様々な先進事例を見てきました。
そうした中で、「いま考えられる最高レベルの省エネルギー住宅、最高レベルの快適が得られる住宅を建て、実際にそこに住んでみたい」「そうした住宅がまだない関西でそれを建てることによって、一般の人にも、住宅づくりのプロの人にも見てもらい、さらにそうした住宅の普及が進むようにしたい」と考えるようになりました。
そうした思いを実現させたのが、この「堺パッシブ・エコハウス展示場」です。

〜 未来の家を、いまつくる 〜  私の思いはそこにあります。

パッシブデザイン
パッシブデザインとは、「建物のあり方そのもので、自然エネルギーを積極活用し、またその調節を行い、省エネルギーと快適性の両方を実現させる設計手法」のことを指します。後でも述べるように、この堺パッシブ・エコハウス展示場では様々な先進のエコ設備を利用しますが、設計の工夫によって太陽や風という自然エネルギーをそのまま活用して快適な室内環境を生み出すことが何より重要であり、もっとも基本的なことだと考えます。
1.断熱
  • 外壁断熱:300mm
  • 屋根断熱:600mm
  • 熱損失係数(Q値)=0.7W/㎡以下
  • 窓:木製3層クリプトンガス入りガラス採用(オーストリア製、U値=0.8)
    高い断熱性は、省エネルギー住宅、そして快適な住まいの実現に大きく寄与するものであるため、極めて高い断熱性能を確保しました。
2.日射遮蔽
  • 屋根断熱の大幅な強化により、日射遮蔽性能を向上
  • 高い日射遮蔽性能と通風確保、防犯を両立させる可動ルーバーシャッター
  • 夏期日射取得係数(μ値)=0.02以下
    夏場にできるだけエアコンに頼らず、快適に過ごすために必要なのは「日射遮蔽」です。 日射の動きについてシミュレーションなどで詳細に検討を行いながら、様々な工夫を盛り込みました。
3.通風
  • 地域の風向をとらえた、綿密な通風計画
  • 風を積極的に採り込む、ウィンドキャッチャー(風を受ける羽根)の設置
    通風性能は数値で示すことが難しく、そういう意味であまりインパクトはありませんが、通風計画の良し悪しが夏はもちろん、1年を通じて快適な暮らしに大きな影響を与えることになります。
4.日射熱の暖房利用(パッシブソーラー)
  • 南面の窓から獲得する日射熱を十分に検討
  • その熱を土間に蓄えることにより、冬場の室温変動を抑える
    Q値=0.7W/㎡ほどの高断熱にすれば、極めて少ない熱で部屋を暖めることができるようになります。その熱源として日射を活用し、さらに蓄熱を考えることで室温変動を少なくすることができます。
エコ設備
この堺パッシブ・エコハウスで目指すのは「エネルギー自給、CO2排出量ゼロ」です。パッシブデザインでそのベースをつくりながら、さらに様々なエコ設備の導入によって、その実現を目指しています。
1.太陽光発電
  • 6kw以上の容量のものを設置
  • 20年間光熱費ゼロの実現を目指す
    家庭生活において電気は不可欠なものです。パッシブデザインで冷暖房エネルギーを大幅に減らすことができたとしても、家電利用などによる電力消費を減らすことが必要になってきます。その意味で太陽光発電は極めて重要な役割を果たします。
2.冷暖房設備
  • ヒートポンプエアコンでつくった冷熱・温熱を使う床下冷暖房
  • 深夜電力利用⇒床下スラブに蓄熱⇒朝から夜まで冷暖房
    ヒートポンプは1のエネルギーを使って何倍もの熱エネルギーを取り出すという原理です。そうした高効率のシステムを使いながら、さらに深夜電力利用を組み合わせることによって、冷暖房費の削減を目指します。
3.換気設備
  • 熱交換率90%の第1種熱交換型換気扇(ドイツ製)の利用
  • 床下で吸気⇒1階居室⇒2階居室⇒外気へ
    断熱性を高めていくと、換気による熱損失量の割合がどんどん増えていきます。その「もったいない熱」を高い熱交換率の換気扇によって外に出ていくのを防ぎます。室内の空気の流れについても、様々な合理性を考えてのものです。
構造、空気質環境、建築材料
堺パッシブ・エコハウス展示場では、以上のほかにも、これまでなちゅらる・さーかすが取り組んできた内容を組み込んでいます。それらは「“未来の家”にも備えるべきもの」と考えるからです。
  • パッシブデザインが実現しやすく、明快で合理的な構造計画が行える門型フレームの採用
    門型フレームを連続させてつなげる構造計画は、高い合理性を持ち、地震に強い構造の実現が図られます。またこの構造計画は窓を配置する自由度が増し、大きな窓が取れることにもつながることで、パッシブデザインとの相性がよいものです。
  • ホルムアルデヒド濃度0.01ppm以下を実現
    清浄な空気質環境の実現も、なちゅらる・さーかすが長い間取り組んできたものです。ひとつひとつの建材から出てくる化学物質を測定し、また何棟もの空気質測定を繰り返してきた結果、「どうすれば清浄で健康的な空気環境をつくることができるか」というノウハウを身につけてきました。
  • 安全、安心な自然素材を厳選して使用-漆喰と日本の木で家をつくる-
    自然素材は落ち着いた、やさしい室内空間をつくってくれます。そして時間が経つほどにその味わいが増してきます。ただ、そんな自然素材でも、選び方、使い方を間違えれば空気が汚れてしまうこともあります。そうしたことにも配慮しながら、自然素材を選んでいます。
  • 奈良県吉野産のヒノキ、スギ(産直木材)の使用
    地域の産直木材を積極的に活用する。これもなちゅらる・さーかすがずっと目指し、実現させてきたことです。顔が見える関係を山とつくることで、品質が明確な、美しい吉野産のヒノキ、スギを使えるようになっています。そしてそれはこの家の骨組みとデザインを裏で支えてくれます。