視覚のデザイン なちゅらる・さーかす

視覚のデザイン
 「仕事に対する基本的な考え方」のところでも述べたように、私は「建築家」という言葉でイメージされる人のように「個性的なデザイン」「奇抜なデザイン」をつくるタイプではありませんし、そこに私の価値を置いていません。とくに住宅は何年もの間、家族が成長したり変化したりしながら、ずっとその家族を包み込むものであり、使いやすさ、家族の変化への対応、性能など、非常に多様な要素がうまくバランスしてこそ「いい家」になると考えるからです。暮らしやすさや性能を捨て、個性的なデザインを取るのは正解ではないと思っています。

 しかし、視覚で感じるものも「豊かな住まい」に不可欠であることは間違いありません。外観や内観が住まい手の好みに合っていなければ、やはりストレスや不満を感じることになるでしょう。伸びやかで広がりを感じる空間を持った住まいは、毎日の暮らしに心地よさを与えます。窓からの眺望なども視覚のデザインの一部です。

 ここで難しいのは、「住まい手の好み」と「飽きがこないこと」をいかに両立させるか。ここで私は「人は“素の材料(自然素材)”が普遍的に視覚的にも心地よく感じる」と考えていて、自然素材を中心にした素材をご提案しています。そして自然素材は「飽きが来ない」という意味でもとても優れていると思っています。結果的に私と一緒に家づくりをされる方は、この考えに共感していただける方がほとんどです 。

 もちろん素材選びだけが「視覚のデザイン」ではありませんので、住まい手のセンスに合った家の形、内外観の色を選び、視線の広がりなどを考えながらデザインしていきます。